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改善事例

80歳/男性・要介護2

約9カ月で、認知症の症状が改善した!

●要介護の原因
アルツハイマー型認知症、
僧房弁狭窄症(低ナトリウム血症はなく、水分制限はない)


●通所回数
週2回利用(リハプライド)
※週2回、訪問介護を利用


●この改善事例のポイント

  • ご家族、ケアマネジャー、訪問看護と連携し、"4つの基本ケア"を毎日記録しながら実行した。
  • 特に水分摂取は、1日平均:3000mlに増えてから、認知症の症状が消失していった。
  • パワーリハビリに加え、毎日の歩行に力を入れた(現在は1日平均:2km以上)。

●通所する前は・・・
平成29年夏頃から同じ話を繰り返すなどの症状が頻繁になり、病院を受診したところ、アルツハイマー型認知症と診断された。平成30年1月、僧房弁狭窄症が重度化し、手術を受ける。食事量は少量で、飲酒が多い(1日にビール700ml)。ほとんど外出せず、運動不足。人付き合いは好きでよく世話をしてくれるが、同じ話を繰り返す。「認知症の進行を防ぎたい」「他者との交流や運動の機会を得たい」「奥さまの介護負担を軽減したい」というご本人とご家族の意向から、平成30年8月、『リハプライド』の利用を開始する。

●認知症の症状 アセスメント《言動の異常》

①「私は営業で全国を飛び回っているんだ」と言う。
時 間 12~14時
場 所 『リハプライド』の休憩中、自宅の居間
状 況 テレビを見ているとき、奥さまと2人でいるときなど。
②「今日の営業もお疲れさまでした」と奥さまに言う。
時 間 19~20時
場 所 自宅の居間
状 況 食事中に奥さまへ(奥さまを同僚だと思っている)。
③「これから営業に行ってきます」と言って、家を出る。
時 間  朝8時
場 所 自宅の玄関
状 況 デイサービスに向かう前。
④「今日は○○と営業同行したんだ」と話す。
時 間 19~20時
場 所 自宅の居間
状 況 食事中に奥さまへ。
⑤「営業は疲れるけど、楽しいね」と話す。
時 間 19~20時
場 所 自宅の居間
状 況 食事中に奥さまへ。
※①~⑤の全ての言動を、ほぼ毎日、同じ時間帯に繰り返し行っている。


●ADLの変化

  平成30年8月時点 平成31年5月時点
身長・体重・BMI  164cm・71kg・26.4  164cm・71kg・26.4
水分摂取量  600ml/日  3900ml/日
食事  1000kcal/日  1800kcal/日
生活リズム  飲酒:ビール700ml/日  飲酒:ビール150ml/日  ※休肝日:2日/週
日中の過ごし方  通院以外は自宅で過ごす。  毎日外出している。
ADL 食事  1日2~3食  1日3食バランスよく
排便  3日に1回程度  ほぼ毎日排便
排尿  日中2~3回/夜間2~3回  日中5~7回/夜間良眠
歩行  週1回の通院時に300m程  リハプライド:500m+帰宅後:1000m(週2回)
訪問看護:2500m(週2回)
奥さまと散歩:2000m(週1回)
次女と散歩:3000m(週1回)
ショッピングモール:3000m(週1回)
※週平均:2300m/日
1週間の
外出状況
 ほとんど外出しない。  毎日外出している。
認知症の症状  ほぼ毎日、同じ時間帯に同じ言動
を繰り返す。
 全て消失した。


●まとめ

【4つの基本ケアについて】
①水分 ⇒ 通所開始時:600ml
→現在:平均3000ml超えにより、日中における意識の覚醒水準がUP。
②食事 ⇒ ・宅食の利用や栄養士の指導でバランスが改善する。
・義歯の調整で、正しい咀嚼が可能になる。
・食欲が増進した結果、飲酒量が700ml→150mlへ減少する。
③運動 ⇒ 通所開始時は、週1回の通院時に300m歩くのみだった。
        ↓
・リハプライドで500mと帰宅後に1000mを週2回。
・訪問看護で2500mを週2回。
・その他に2000~3000mの外出を週3回。
・平均して1日2000m以上歩くようになった。
④便通 ⇒ "4つの基本ケア"と"便秘を治す7つのケア"で、3日に1回の排便が毎日となる。


●考察

・通所開始時の水分摂取量は600mlと極端に少なかったが、現在は1日平均:3000ml以上飲めるようになった。
・寒天ゼリーに加え、ウォーターサーバーを自宅に導入し、奥さまの協力が無くても、自然に飲める(水分摂取できる)ような環境を整えたところ、1日平均:1500ml以上から認知症の症状が改善していき、1日平均:3000ml以上に増えてから症状が消失していった。
・歯科医との連携により義歯の調整を行った結果、正しく噛むことが可能になって咀嚼回数が増え、食欲増進につながった。
・もともと歩行能力には問題のなかった方だが、外出して運動の機会が増えたことで、水分摂取量および日中の尿量も増え、夜間の頻尿が改善し良眠となった。


●終わりに

・飲み物の種類を増やし、工夫したことで寒い時期でも水分量が増えたり、事業所では他のご利用者さまにつられて飲む"行動感染"が見られた。 これは全てのご利用者さまに共通したことである。
・蕎麦汁やウォーターサーバーの導入は、ご本人の営業時代の立ち食い蕎麦や、当時いつでも飲めた製水器からヒントを得た。このように、今後は各ご利用者さまの過去の生活背景を探っていくことにも注力していきたい。
・ご本人は営業時代から早食いの習慣があり、また歯科受診で歯の噛み合わせが悪いことも指摘されていて、これらが咀嚼の阻害要因となっていたことが判明した。
・咀嚼は、脳の活性化や歯の症状改善=認知症の予防にもつながるので、今後はさらに勉強し、ご利用者さま、ご家族さま、ケアマネジャーにも咀嚼の大切さを提案できるようにしていきたい。



(リハプライド・鷲宮)

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