改善事例

80歳/女性・要介護3 脳血管疾患

わずか3カ月で、杖歩行から自立歩行になった!

●要介護の原因
脳出血・左片マヒ、胸椎圧迫骨折、腰椎圧迫骨折


●通所回数
週1回利用(リハプライド)
※週3回、他のデイサービスを利用


●個別機能訓練
上肢および下肢体操


●この改善事例のポイント

  • 週1回のご利用でも、基本に忠実な正しいパワーリハビリを継続することによって、改善成果に結びつくことが分かった。
  • ご利用者さまに、日頃の変化や体力測定の結果等をお伝えすることで、ご本人のモチベーションが向上し、予想以上の改善が図れることを学んだ。 

●通所する前は・・・
平成20年4月に脳出血し、左上下肢マヒが残る。平成25年3月に胸椎圧迫骨折を発症。平成27年12月に腰椎圧迫骨折。平成28年12月には急性大動脈乖離で緊急手術を受け、同月に再び腰椎圧迫骨折。平成29年11月に胆のう炎で入院して、平成30年1月に退院。退院後、「左マヒ側のリハビリがしたい」というご本人の意向があったので、主治医の了承をいただき、同年2月より通所を開始する。通所前、自宅内では車イス、外出時は4点杖中心の生活をしていた。   

●課題およびケアプラン

・活動量の増加 ⇒ 自宅近くの浄水場まで、ご主人の見守りの中、一緒に散歩することを提案する(往復200m)。
・屋外歩行移動 ⇒ 杖を使用し、ひとりで15分以上、歩けるようになる。そのために、下肢系マシン(レッグプレス、レッグエクステンション)×3セットを継続して実施。必要に応じて負荷の見直しを行う。また、個別機能訓練では下肢体操を実施する。
・左腕の痛みの緩和 ⇒ 上肢系マシン(ローイング、チェストプレス)×3セットを継続して実施。必要に応じて負荷の見直しを行い、個別機能訓練では上肢体操を実施する。


●パワーリハビリ実施状況

ローイング 2.5? 1セット → 3セット
レッグプレス 7.5? 1セット → 3セット
チェストプレス 2.5? 1セット → 3セット
ヒップアブダクション 2.5? 1セット → 3セット
トーソフレクション 2.5? 1セット → 3セット
レッグエクステンション 2.5? 1セット → 3セット
※負荷は変えず、セット数のみ増やす。


●体力測定の変化

平成30年2月6日
(アセスメント時)
平成30年5月8日
(約3カ月後)
Timed UP & GO 17.4秒(杖あり) 15.2秒(杖なし)
開眼片足立ち 2秒(杖あり) 2秒(杖あり)
握力 右:15.5?(座位) 左: 0?(座位) 右: 18.1?(立位) 左: 10.3?(座位)
ファンクショナルリーチ 30.5cm(座位) 34.5cm(座位)
長座位体前屈 29cm 28cm
30秒間足踏み 29回(杖あり) 28回(杖なし)
水分摂取量の変化 270ml(デイ利用時) 450ml(デイ利用時)
利用時の変化 運動して帰ると体が軽くなり、歩きやすくなる。 通所するようになって、体調が良くなった。他のデイサービスで「足の力がついて来たね」と驚かれた。リハビリに対するモチベーションが非常に高い。
生活状況等の変化 自宅内は車イスの自走で、座った生活が中心。通所時は杖歩行(4点杖)。圧迫骨折(胸・腰)をしていたため、コルセットを着用している。 通所時、杖を持って来なくなった。ベッドからトイレまで、手すりを持たずに行けるようになった。靴下を自分で履けるようになった。


●考察

・通所前、自宅内では車イス、外出時は4点杖中心の生活をしていたが、モチベーションを高く持ち、基本に忠実な正しいパワーリハビリを継続することによって、わずか3カ月余りで杖なしの自立歩行ができるようになった。
・たとえ週1回のご利用でも、きちんとパワーリハビリを継続していただくことで、改善成果に結び付くことが分かった。
・左上下肢にマヒが残り、痛みも伴っている上、胸椎および腰椎圧迫骨折の後であったため、マシンへの移乗と可動域の調整に注意を払い、工夫した。また、痛みが出ないよう留意してマシントレーニングを行った。
・ご利用者さまの変化に気付き、それを直接お伝えすることで、ご本人のモチベーションが向上し、そのことが相乗効果となって、予想以上の改善が図れることを学んだ。
・このご利用者さまの場合、もう1つのデイサービスで、いろいろな方から変化(改善)に対するフィードバックがあり、それも大きなモチベーションアップにつながったと考える。
・日頃の動作や発言、また体力測定の結果等を、正確かつポジティブにご利用者さまへお伝えすることが大切である。それにより、ご本人のモチベーションがさらに向上し、より大きな成果につながることを再認識した。 

(リハプライド 広島不動院前)