改善事例

83歳/女性・支援1 重度の関節疾患・骨折

約9カ月後に、杖歩行から自立歩行になった!

●要介護の原因
両変形性膝関節症、変形性脊椎症、リュウマチ


●通所回数
週2回利用(リハプライド)
※週1回、訪問介護を利用


●この改善事例のポイント

  • 軽い負荷のパワーリハビリで、徐々に膝を動かしてきたことにより、痛みの軽減と下肢筋力が向上してきた。
  • 日中の活動量を上げて、水分摂取と排尿回数を増やすことで、夜間の排尿回数が減り、良眠できている。

●通所する前は・・・
このご利用者さまは、地元の公民館でヨガに参加したり、子どもに昔遊びを教えるボランティアをするなど、60歳くらいまで大きな病気をすることなく過ごしてきた。
しかし、両膝に痛みが出てからは歩行が困難となり、気分の落ち込みも見られるようになった。痛みから外出の機会も減って、家で横になることが多くなったご本人を娘さまが心配され、いろいろなデイサービスを見学して回ったところ、私たちのパワーリハビリテーション(以下、パワーリハビリ)が気に入り、ご本人に通所を勧めるに至った。

●課題およびケアプラン

・水分摂取量の維持 ⇒ 現在、1日:2000ml以上の摂取ができているので、これを維持していく。
・活動量の増加 ⇒ パワーリハビリやストレッチ体操を無理なく継続して実施することで、痛みの軽減を図り、活動量を増やしていく。
・屋内歩行移動 ⇒ 膝の痛みから足が上がらず、躓(つまず)きによる転倒の危険性が見られるため、下肢筋力向上の運動をご提供し、足をしっかり上げて歩くようにお声掛けする。
・屋外歩行移動 ⇒ 長い距離や手すりのない屋外を歩くことに不安があるため、歩行姿勢や現在の歩行能力を自覚し、安全に歩行できる距離を把握する。
・夜間良眠 ⇒ 夜間の排尿回数を気にされ、夕方以降の水分摂取を控えてしまうので、日中の活動量を上げて水分摂取と排尿回数を増やすことにより、夜間は良眠できることを自覚していただく。


●パワーリハビリ実施状況

ローイング 2.5? 1セット → 3セット
レッグプレス 10? 1セット → 3セット
チェストプレス 2.5? 1セット → 3セット
ヒップアブダクション 2.5? 1セット → 3セット
トーソフレクション 2.5? 1セット → 3セット
レッグエクステンション 2.5? 1セット → 3セット
※負荷は変えず、セット数のみ増やす。


●体力測定の変化

平成30年5月8日
(アセスメント時)
平成31年2月26日
(約9カ月後)
Timed UP & GO 17.21秒(杖あり) 11.75秒(杖なし)
開眼片足立ち 60秒(杖あり) 21.7秒(杖なし)
握力 右:8.8? 左: 7.4? 右: 12.1? 左: 8.5?
ファンクショナルリーチ 15.5cm 18.5cm
長座位体前屈 42.5cm 48.5cm
30秒間足踏み 96回 116回
水分摂取量の変化 1050ml(デイ利用時) 1100ml(デイ利用時)
利用時の変化 両膝の痛みで、一時期、レッグエクステンションの実施が困難だった。 膝の痛みも軽減し、レッグエクステンションも実施できている。
生活状況等の変化 膝の痛みで気分が悪くなり、歩けないことに落ち込む。 雰囲気が明るくなり、スタッフや他のご利用者さまとよくお話をされるようになった。


●考察

・自宅でも継続的に水分が摂れており、今では1日を通して、無理なく自然に水分摂取ができている(1日:2000ml以上)。
・一時期、膝の痛みでレッグエクステンションに困難を伴ったが、現在は痛みも軽減し、実施できている。
・軽い負荷によるパワーリハビリの効果で、膝の痛みが徐々に軽減していき、「外に出ることが、苦痛から楽しみに変わった」と話している。「できる限り、今の生活を継続したい」という思いが強い。
・痛みから下肢を動かさないこともあったが、パワーリハビリで徐々に膝を動かしてきたことにより、痛みの軽減と下肢筋力が向上してきた。また、室内を歩くときは、杖を使わずに自立歩行できるようになった
・すり足にならないよう、しっかりと足を上げて踵から着地する歩行訓練を行った結果、以前より躓くことが少なくなった。
・6台のマシントレーニングを3セットずつ実施していることで、体力面に自信がついてきた。
・排尿で夜間に何度も起きることを避けるため、夕方以降の水分摂取を控えていたが、今ではその不安もなく、1日を通して平均的に摂取することを心掛けている。
・日中の活動量を上げて、水分摂取と排尿回数を増やすことにより、夜間の排尿回数が減るため、良眠につながっている。

(リハプライド 八千代中央)