改善事例

88歳/女性・要介護4 重度の関節疾患・骨折

パワーリハビリと個別機能訓練で、歩行が改善した!



●要介護の原因
脳梗塞後遺症により右片マヒ、腰部脊柱管狭窄症、左大腿近位部骨折、急性胆嚢炎


●通所回数
週3回利用
※訪問介護は、娘さまと組み合わせてほぼ毎日


●個別機能訓練
立ち上がり練習、上肢・下肢体操等


●この改善事例のポイント

  • パワーリハビリおよび個別機能訓練に継続して取り組んだ結果、足がスムーズに出せるようになって、歩行が改善した。
  • 身体機能の改善にともなって、メンタル面にも大きな改善が見られた。

●通所する前は・・・
平成27年2月、急性胆嚢炎にて約1カ月入院。退院前より両下肢と体幹筋力が低下し、退院後、両上肢・両指・右下肢部の筋力の協調性不良(運動失調)と左下肢の脱力が顕著になっていった。またご主人を亡くされ、精神的な落ち込み等により活動量も低下。下半身不随の娘さまとの2人の生活を継続するために運動機能向上を図って、訪問リハビリを半年継続したが効果がなかったため、『リハプライド』への通所を開始した。


●課題(現状の維持・改善、歩行の安定)
・水分摂取の徹底⇒1日:1500mlの摂取を毎日継続する。
・現状のADLを維持⇒活動量を増やす。座っていても可能な体操をご自宅でも実践する。
・座位の姿勢保持⇒下肢筋力アップを目指し、体幹を使うことによって座位および歩行を改善する。
・転倒防止⇒下肢系マシン×3セット継続。個別機能訓練で立ち上がり練習、下肢体操を実施。


●パワーリハビリ実施状況

ローイング 2.5? 1セット → 2.5? 3セット
レッグプレス 5.0? 1セット → 5.5? 3セット
チェストプレス 2.5? 1セット → 2.5? 3セット
ヒップアブダクション 2.5? 1セット → 2.5? 3セット
トーソフレクション 2.5? 1セット → 2.5? 3セット
レッグエクステンション 2.5? 1セット → 3.0? 3セット
※負荷はほとんど変えず、セット数のみ増やす。


●体力測定の変化

平成30年11月26日
(アセスメント時)
平成31年2月15日
(直近)
Timed UP & GO 1分18秒(歩行器) 55秒(歩行器)
開眼片足立ち 2分29秒(歩行器) 2分36秒(歩行器)
握力 右:12.8? 左:12.8? 右:13. 1? 左:12. 1?
ファンクショナルリーチ 21cm 26cm
長座位体前屈 27.5cm 34cm
30秒間足踏み 15回 14回
水分摂取量の変化 1400ml 1500ml
利用時の変化 足がクロスしていて、不安定な歩行。 歩行時は、見守りで大丈夫になった。
目標が高いので、常に体を動かしている。
生活状況等の変化 自宅近所を散歩。
サポートがあれば、公園まで足を延ばしている。
歩行距離も伸びてきた。
新幹線に乗って、下関まで行けるようになった。


●考察
・水分摂取およびパワーリハビリテーション、個別機能訓練の実施により、ADLの維持という目標
 を達成できた。
・パワーリハビリテーションおよび個別機能訓練に継続して取り組んだ結果、足がクロスすること
 なくスムーズに出せるようになり、歩幅も大きくなったことで歩行が安定した。また、その
 結果、立位姿勢にも改善が見られた。
・体力測定では、ほとんどの項目でアセスメント時よりも記録がよくなった。また姿勢もよくな
 り、歩行もスムーズになった。
・身体機能の改善にともなって、メンタル面にも大きな改善が見られた。
・通所開始時は、肘掛けのないイスでは座位が保てなかったが、今では、問題なく1人で座位が保
 てるようになった。
・歩行は、見守りがあればほぼ大丈夫なところまで改善した。自宅では1人で歩行もできている。
・足が上がるようになり、車への移乗が踏み台なしでできるようになった。
・社交的になり、自分から他のご利用者さまへ挨拶するようになった。リハビリ中に笑顔も見られ
 るようになり、通所開始時とは別人のように表情が明るくなった。
・サポートがあれば、近所の公園へ散歩に出かけたり、新幹線に乗って下関まで旅行に行けるよう
 になった。

病気や年齢に関わらず、本人がヤル気を持って努力を継続できれば、想像以上の効果が出るということが分かった。どのような症状の方に対しても、可能性を見出し、あきらめずにリハビリを継続することの大切さを感じた。         

(リハプライド 広島不動院前)