改善事例
パーキンソン病において、劇的な改善が見られた事例!
●要介護の原因
パーキンソン病
●この改善事例のポイント
- パワーリハビリと歩行訓練により、通所11カ月目には劇的な改善が見られた。
- 歩き出す際、その場で両手を振り、リズムを取るようにすると、最初の一歩がスムーズに出ることが分かった。
●通所する前は・・・
ふらつきや転倒があって、伝い歩きをするなど、介助がなければ動けない状態でした。リハビリのため他のデイサービスで運動をしていましたが、ほとんど改善が見られなかったので、『リハプライド』へ通所することにしました。
●通所後は・・・
通所前の歩行は前傾気味で、どこか緊張したような状態でしたが、通所後は背筋が伸びて、姿勢の改善が見られました。歩き出す際に、手を振りリズムを取るようにしたことが、介助を必要とせずに歩行できる一助になったのではないかと考えます。
●リハビリでの変化
平成27年7月6日 | 平成27年10月5日 | |
Timed UP & GO | 43秒(杖なし) | 16.3秒(杖なし) |
---|---|---|
開眼片足立ち | 55秒 | 21秒 |
握力 | 右:26.4? 左:25.6? | 右:24.3? 左:22.6? |
ファンクショナルリーチ | 21.5cm | 22.5cm |
長座位体前屈 | 23cm | 24cm |
30秒間足踏み | 21回 | 25回 |
水分摂取量の変化 | 500ml?800ml | 500ml?700ml |
歩行の変化 | 前傾気味で、歩行の際は緊張したような状態。 | 姿勢の改善が見られる。両手を交互に振ってリズムを取ることで、最初の一歩が比較的スムーズに出るようになった。 |
●マシントレーニング
ローイング | 2.5? 1セット → 2.5? 2セット |
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レッグプレス | 7.5? 1セット → 7.5? 2セット |
チェストプレス | 2.5? 1セット → 2.5? 2セット |
ヒップアブダクション | 2.5? 1セット → 2.5? 2セット |
トーソフレクション | 2.5? 1セット → 2.5? 2セット |
レッグエクステンション | 3.0? 1セット → 3.0? 2セット |
●考察
パーキンソン病は、脳の異常のために、体の動きに障害が現れる病気です。現在、日本には約15万人の患者さんがいるといわれています。当事業所において、このパーキンソン病のご利用者さまに顕著な改善が見られたのでご報告いたします。
このご利用者さまは、ふらつきや転倒があり、介助がなければ動けない状態でした。リハビリのために他のデイサービスを利用していましたが、改善が見られなかったので、当事業所へ通所することになりました。
1つ目の比較動画をご覧ください。通所当初(左の平成27年1月5日)は、杖を使用しており、イスから立ち上がって、すぐにパーキンソン病特有の"すくみ足(動き始めの最初の一歩が踏み出しにくくなる)"が見られます。その後、"小刻み歩行"と"すり足"で数歩進みますが、また"すくみ足"となり、結局、コーンを回ってイスに座るまで、この状態を何度も繰り返します。TUGは、3分37秒でした。
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ところが、わずか11カ月後(右の平成27年10月5日)には、まず杖が不要になり、歩き出す際に、両手を交互に振ってリズムを取るようにしたところ、最初の一歩もスムーズに出るようになって、ご覧いただけますように"小刻み歩行"や"すくみ足"も見られず、コーンもスムーズに回れるほど劇的に改善しております。TUGは、驚きの16.3秒でした。
このように、歩き出す際、手を振りリズムを取ることで、最初の一歩が比較的スムーズに出ることが確認できました。パーキンソン病は、音楽等のリズムを与えることで、歩行状態の改善が見られるという報告もあります。上記のように、パワーリハビリに加え、歩き出す際、両手を交互に振ってリズムを取るように歩行訓練したことが、介助を必要としない安定した歩行につながったと考えられます。
体力測定は、通所6カ月目と11カ月目の比較になります。開眼片足立ちについて、データ上、継続時間は短くなりましたが、地面から数センチしか上がらなかった足が、ふくらはぎ中央部までしっかり上がるようになりました。さらに、来所時でバラつきはあるものの、パワーリハビリを行うと、必ずその日の身体の動きがよくなりました。また、同じ曜日に通所している他のご利用者さまから、改善したことに対して拍手を送られたことがあり、これがご本人のモチベーションUPに大きく影響していると考えています。
パーキンソン病におけるパワーリハビリの効果について、当事業所でも本事例により実感することができました。歩行にはリズムも大きく影響することが分かったため、今後はスタッフ間でもリズムの大切さを認識した上で、ご家族にもご協力いただき、ご利用者さまのさらなるサポートにあたっていきたいと思います。