改善事例
要介護3から、9カ月で要支援2になった!
●要介護の原因
脳出血、高血圧症、右上肢機能障害
●この改善事例のポイント
- ご利用者さま自身が、常に前向きな姿勢でパワーリハビリと機能訓練に取り組まれた結果、介護度が大きく改善した。
- パワーリハビリはもちろん、生活動作として意味のある動きを、機能訓練メニューに採り入れたことで、身体機能の改善につながった。
●通所する前は・・・
このご利用者さまは、平成28年6月に脳出血発症で右片マヒとなり入院しました。その後、同年10月30日の退院を前に「自宅での家事や、外出が早くできるようになりたい」というご本人たっての希望で、退院直後の11月2日より、事業所へ通所することになりました。
●通所してから・・・
ご利用者さま自身が非常に前向きであり、パワーリハビリや個別機能訓練の数々のメニューに対して、とても熱心に取り組まれています。また、右片マヒになってからは、料理をすることがなくなり、水分の摂取も減少していましたが、改善が見られるにつれて、事業所でもご自宅でも水分摂取量が増えていきました。
●リハビリでの変化
平成28年11月2日 | 平成30年2月9日 | |
Timed UP & GO | 56.0秒(杖あり) | 30.0秒(杖あり) |
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開眼片足立ち | 右33.0秒 左1.0秒(杖あり) | 右30.0秒 左30.0秒(杖あり) |
握力 | 右:6.3kg 左:19.9? | 右:12.3? 左:22.5? |
ファンクショナルリーチ | 37.0cm | 45.5cm |
長座位体前屈 | 47.5cm | 35.5cm |
30秒間足踏み | 12回(杖あり) | 23回(杖あり) |
水分撰取量の変化 | 180cc | 360cc(自宅で別途1300cc) |
メンタル面の変化 | チェストプレス、ローイングのグリップは、バンド固定で行っている。 | チェストプレス、ローイングのグリップは、自力でしっかり保持している。 |
身体状況の変化 生活状況の変化 |
つま先が地面を擦るように歩く。 イスからの移動が苦手である。 |
家事全般が一人でできるようになった。 |
●マシントレーニング
ローイング | 2.5? 1セット → 5.0? 2セット |
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レッグプレス | 7.5? 1セット → 12.5? 2セット |
チェストプレス | 2.5? 1セット → 5.0? 2セット |
ヒップアブダクション | 2.5? 1セット → 5.0? 2セット |
トーソフレクション | 2.5? 1セット → 5.0? 2セット |
レッグエクステンション | 2.5? 1セット → 5.0? 2セット |
●考察
通所当初は、マヒ側(右手)の握力が低下していたため、洗濯や家事などの日常生活に支障が出ていました。また、大好きな料理などができないことから、体を動かすことも減り、当初、事業所内での水分摂取量は、わずかコップ1杯程度(180cc)でした。
その後、パワーリハビリはもちろんのこと、平行棒を使用しての歩行訓練、歩行時の踏み出し訓練など、生活動作として意味のある動きを機能訓練メニューに採り入れ、熱心に取り組みました。結果、TUGなどの体力測定では、ほぼ全ての項目で身体機能の改善が見られ、平成28年11月の利用開始より平成29年8月の9カ月間のリハビリで、"要介護3"から"要支援2"へと介護度の大幅な引き下げを実現しました(改善比較動画は、通所当初と14カ月後です)。
また、事業所内での水分摂取量も、現在では360ccとなり、自宅でも、お茶700cc、コーヒー500cc、牛乳100ccの計1300ccを摂取できています。
日常生活では、一人で料理ができるようになって、洗濯物の片づけや取り込みもご自身で行っております。サービス担当者会議でも、「家庭内での役割、家事全てが自立できています。室内だけでなく、今後は屋外の自立を目指します」と記載されました。
ご利用さま自身が、当初からパワーリハビリと機能訓練メニューに対し意欲的に取り組まれ、「手や足の動きが良くなった」「歩き方が良くなってきているので嬉しい」と感じていることが、われわれスタッフの喜びでもあります。
介護度の改善は、ご利用者さま、ご家族、ケアマネジャーさまの評価だけでなく、今後の日本にとって、社会的に大変意義のあることだと考えています。
今回の事例のさらなる改善に努めるとともに、他のご利用者さまの介護度改善や自立支援に、より一層真摯に取り組んでいきたいと思います。
(リハプライド なつみ)