改善事例
引っ越しの孤独感をふき飛ばした水分摂取?自立支援介護への取り組み?
●要介護の原因
脳梗塞、パーキンソン症候群
●この改善事例のポイント
- 無理のない負荷からパワーリハビリテーションを始めたところ、ご本人も「これならできる」とより意欲的・積極的になった。
- 竹内先生の著書をお渡しして読んでもらってからは、水分摂取量が劇的に増えた。
- 水分摂取量が増えたことで、意識の覚醒水準が上がり、発する言葉もハッキリと聞き取れるようになった。
●リハビリを始めたきっかけ
以前は自営で飲食店を経営していましたが、年齢的なこともあり、平成26年に閉店しました。閉店後は外出機会が減って閉じこもり気味となり、歩行状態もすり足気味となって、長い距離を歩くことが難しくなりました。そこで、マヒ側の右下肢の動きを少しでも良くして、転倒の不安なく自宅内の移動動作ができるようにと、リハビリを開始しました。
●リハビリを始めてから・・・
利用開始時の水分摂取量は、1日平均500mlだったのですが、今では1日平均1500mlになりました。水分摂取量が増えたことで、意識の覚醒水準も上がって、ろれつが回らなかった言葉も、ハッキリと聞き取れるようになりました。また当初は外出する意欲も失せていたのですが、自宅の近所を散歩するようになり、歩行距離も伸びてきました。体力測定もほとんどの項目で数値が改善しています。
平成29年12月19日 | 平成30年3月17日 | |
Timed UP & GO | 26秒(杖あり) | 24秒(杖なし) |
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開眼片足立ち | 9秒(杖あり) | 3秒(杖なし) |
握力 | 右:24. 4? 左:31.9? | 右:30. 6? 左:38. 1? |
ファンクショナルリーチ | 19cm | 21cm |
長座位体前屈 | 10.5cm | 15cm |
30秒間足踏み | 36回 | 40回 |
水分撰取量の変化 | 580ml | 1530ml |
主訴の変化 | 口数が少ない。ろれつが回らない。 | 笑顔が増えた。言葉がハッキリしてきた。 |
生活状況等の変化 | 外出する機会が少なく、意欲も出ない。 | 自宅の近所を散歩するようになる。歩行距離も伸びてきた。 |
●マシントレーニング
ローイング | 2.5? 1セット → 4.5? 3セット |
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レッグプレス | 7.5? 1セット → 15? 3セット |
チェストプレス | 2.5? 1セット → 4.5? 3セット |
ヒップアブダクション | 2.5? 1セット → 4.5? 3セット |
トーソフレクション | 2.5? 1セット → 4.5? 3セット |
レッグエクステンション | 2.5? 1セット → 4.5? 3セット |
●考察
通所開始時は、口数が少なく、言葉も聞き取りにくかったのですが、マシントレーニングや個別機能訓練、さらに水分をしっかりと摂取していただいたところ、身体的にも精神的にも顕著な改善が見られました。
水分摂取については、当初、思うように摂取していただけなかったので(1日平均500cc)、ご本人に竹内孝仁先生の著書をお渡しして読んでもらったところ、劇的に水分摂取量が増えました(1日平均1500cc)。また、水分摂取量が増えたことで、脳が活性化し、意識の覚醒水準も上がって、発する言葉もハッキリと聞き取れるようになりました。さらに頻尿も瞬く間に改善され、今ではご本人自ら積極的に水分を摂取しております。
パワーリハビリテーションは、無理のない負荷から始めたところ、「これならできる」とご本人が意欲的かつ積極的に取り組むようになり、身体機能はもちろん、足の上がり方、歩行状態も改善され、転倒の不安なく室内移動ができるようになりました。今では、天候の良い日に奥さまと散歩に出掛けるなど、通所以外の活動量も増えています。
当初は、見知らぬ土地で家族以外との交流もなかったのですが、他のご利用者さまとのコミュニケーションも増え、表情も明るくなりました。
今後も正しくパワーリハビリテーションを提供し"水・排泄・食事・運動"という竹内理論を基にサービスを行い、ご利用者さまとご家族の皆さまの夢や目標を共有して、スタッフ一同、自立支援介護に取り組んでいきたいと思います。
(リハプライド 郷野目)