改善事例
入院による廃用症候群と、パーキンソン病が改善した事例!
●要介護の原因
パーキンソン病、高血圧、糖尿病
●この改善事例のポイント
- 退院後、すぐに自立支援に取り組めたことが、今回の顕著な改善につながったのではないか。
- 通所当初はコップ1杯程度(200cc)の水分摂取量だったが、3カ月後には2倍(400cc)の水分摂取が可能となり、パワーリハビリと合わせて水分摂取が機能回復に寄与したものと考える。
- 身体機能の改善が、ご利用者さまの精神面を明るくし、笑顔での会話が増えたり、意欲的にトレーニングを行うなど、行動変容へとつながるきっかけとなった。
●リハビリを始めたきっかけ
平成23年にパーキンソン病を発症。平成28年3月から要支援2で通所を開始しましたが、同年12月、インフルエンザにかかり入院。その後、抗生剤の投与で改善するも、パーキンソン病の症状が進行したため入院を継続しました。入院中に尿閉となり、尿道カテーテルを挿入。さらに平成29年2月頃から妄想が出現し、以前から帰宅願望が強かったこともあって、医師の判断により3月13日に退院しました。約3カ月の入院中に要介護3と認定され、施設入所も検討しましたが、本人とご家族の要望もあって、3月17日より当事業所の利用を再開しました。
●リハビリを始めてから・・・
3カ月間の入院による体力低下で抑うつ傾向にありましたが、今では他のご利用者さまとも笑顔で会話をしております。バランストレーニングなどで、うまくできないものがあると「悔しい」と話すなど、意欲的な面も見られるようになりました。パワーリハビリの継続で体力が向上し、食事も摂取できるようになったため、全身の筋力(握力)もアップして、体重も順調に増加しました。退院後は歩行器を使用していましたが、1カ月程度で自立歩行となりました。
平成29年4月18日 | 平成29年7月7日 | |
Timed UP & GO | 13.20秒 | 9.36秒 |
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開眼片足立ち | 2.0秒 | 2.0秒 |
握力 | 右:22.0kg 左:26.3? | 右:30.9? 左:30.1? |
ファンクショナルリーチ | 21cm | 25.0cm |
長座位体前屈 | 24.5cm | 33.5cm |
30秒間足踏み | 23回 | 28回 |
水分撰取量の変化 | 200ml | 400ml |
主訴の変化 | 表情が乏しく、ろれつが回らない。マシンは5?6台を、1?2セット行う。帰宅後に疲労感あり。 | 表情も明るく、笑顔で話す。全てのマシンを3セット行う。疲労感の訴えなし。 |
生活状況等の変化 | ウロバックを使用している。 イスからの立ち上がりや、送迎車の乗降が困難。 |
尿道カテーテルが取れ、歩行や送迎車の乗降もスムーズになった。 |
●マシントレーニング
ローイング | 2.5? 1セット → 2.5? 3セット |
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レッグプレス | 10.0? 1セット → 10.0? 3セット |
チェストプレス | 2.5? 1セット → 2.5? 3セット |
ヒップアブダクション | 2.5? 1セット → 2.5? 3セット |
トーソフレクション | 2.5? 1セット → 2.5? 3セット |
レッグエクステンション | 2.5? 1セット → 2.5? 3セット |
●考察
平成23年にパーキンソン病を発症。平成28年3月から要支援2で通所を開始しましたが、同年12月、インフルエンザにかかり入院、年末まで高熱が続きます。その後、抗生剤の投与で改善するも、パーキンソン病の症状が進行したため入院を継続しました。入院中に尿閉となり、尿道カテーテルを挿入。さらに入院が続き、平成29年2月頃から妄想が出現。以前から帰宅願望が強かったこともあり、医師の判断で3月13日に退院しました。約3カ月の入院中に要介護3と認定され、施設入所も検討しましたが、本人とご家族の要望もあって、3月17日より当事業所の利用を再開しました。
退院後、すぐに自立支援に取り組めたことが、今回の顕著な改善につながったと考えます。
3カ月間の入院による体力低下で抑うつ傾向にありましたが、今では他のご利用者さまやスタッフとも笑顔で会話しております。バランストレーニングなどで、うまくできないものがあると「悔しい」と話すなど、意欲的な面も見られるようになりました。パワーリハビリの継続で体力が向上し、食事も摂取できるようになったため、全身の筋力(握力)もアップして、体重も順調に増加しました。退院後は歩行器を使用していましたが、1カ月程度で自立歩行となりました。
通所当初はコップ1杯程度(200cc)の水分摂取量でしたが、3カ月後には2倍(400cc)の水分摂取が可能となり、パワーリハビリと合わせて水分摂取が機能回復に寄与したものと考えます。
身体機能の改善が、精神面を明るくし、笑顔での会話が増えたり、意欲的にトレーニングに取り組むなど、行動変容へとつながるきっかけとなりました。
また、身体機能の低下で気持ちまで沈んでしまったご利用者さまが、日々改善するにつれてみるみる表情が明るくなり、さらにご家族の気持ちまでも前向きに変えられたことを、事業所としても非常にうれしく思います。
今後とも、減薬やさらなる水分摂取に対して、事業所側から積極的にアプローチしていき、パワーリハビリと自立支援を通じて、身体機能の改善ならびに行動変容を、一人でも多くの方に実現いただけるよう邁進していく所存です。
(リハプライド 前橋広瀬)