改善事例

86歳/女性・要介護4 脳血管疾患

ご本人の意欲次第で、予想以上の機能回復が可能となる!

●要介護の原因
脳梗塞後遺症(右片マヒ、主に右上下肢に痙直あり。動作時、過緊張あり)、
腰部脊柱管狭窄症 、左大腿近位部骨折、急性胆嚢炎


●この改善事例のポイント

  • ご本人の意欲次第で、予想以上の大きな機能回復が可能だということを改めて認識できた。
  • 機能回復を目指して前向きに努力している姿が、他のご利用者さまにも良い影響力を与えることが分かった。

●リハビリを始めたきっかけ
高齢の上、脳梗塞の後遺症やご主人の不幸で精神的に落ち込んでいた中、訪問リハにて週2回の施術を継続していましたが、思うような機能回復が図れませんでした。しかし、「もう一度、自身で歩きたい」という思いと、同居の娘さまが半身不随の車イス生活なので、「自分が寝たきりになるわけにはいかない」という強い意志から、当事業所への通所を決心しました。

●リハビリを始めてから・・・
運動機能はもとより、イスにも1人で座っていられないような体力の状態でしたが、6カ月後には、平坦な場所ならば、歩行器を使用して1人歩行が可能となりました。機能回復を目指して、とても前向きに努力している姿が、スタッフをはじめ、他のご利用者さまにも良い影響力を与えています。


平成27年9月30日 平成28年4月22日
Timed UP & GO 1分58秒(歩行器) 1分5秒(歩行器)
開眼片足立ち 58秒(歩行器) 2分27秒(歩行器)
握力 右 8.8?、左 8.8? 右 12.7?、左 8?
ファンクショナルリーチ 実施不能 22?
長座位体前屈 20? 27.5?
30秒間足踏み 8回(歩行器)...足があまり上がっていない。 11回(歩行器)...足を高く上げて実施できた。
水分撰取量の変化 330ml 375ml
主訴の変化 足に力が入らず、立位や歩行が不安定。歩行器で歩行の際は、ズボンの後ろを持ち上げるようにして介助する。 歩行器で歩行の際、介助なしで歩行が可能となってきた。また、車への移乗がスムーズになった。
生活状況等の変化 表情に覇気がなく、やつれた感じだった。イスには介助がないと座れない(横へ倒れる)状態だった。 自ら話しかけてくることはあまりなかったが、送迎の車中などでご自分からお話されるようになった。


●考察
通所当初は、表情に覇気がなく、かなりやつれた感じでした。足に力が入らず、立位や歩行も不安定で、運動機能はもとより、体力・気力とも非常に落ちていました。イスには介助がないと1人で座れない(横へ倒れる)状態だったので、マシントレーニングの際、リズム・フォームが乱れないように、はじめの1~2カ月間はマンツーマンのサポートを継続しました。

3カ月後には、足の力が大分ついてきて、1人でイスへ座れるようになりました。表情も明るくなって、ご家族から「社交的ではない母ですが、帰って来たら、必ずその日のリハプライドの様子を楽しそうに話してくれます」というメッセージをいただきました。

あまりご自分から話しかけてくることはなかったのですが、6カ月後には送迎の車中などで、ご自分からお話されるようになりました。歩行器で歩行の際も、介助なしで歩行できるようになり、平坦な場所ならば1人歩行が可能となりました。

現在は、通所当初に比べると体がよく動くようになって、マシントレーニングは以前にも増して意欲的です。さらに、個別機能訓練にも積極的に参加するようになりました。また送迎の際は、ご自分で歩行器を使い、長いスロープを通って家の前で待つことが多くなっています。歩行器なしでも、横で介助があれば、真っすぐ立てるようになりました。

週3回、とても前向きに機能回復を目指して努力している姿が、スタッフをはじめ、他のご利用者さまにも良い影響力を与えています。「娘と近所を散歩できるようになりたい」という希望をお持ちなので、"外出しても安定感のある歩行ができるようになる"ことを今後の課題と考えています。

今回の事例により、ご本人の意欲次第で、予想以上の大きな機能回復が可能だということを再認識できました。全てのご利用者さまに対して、高いモチベーションを維持し続けてもらうための工夫が必要だと感じています。

(リハプライド 広島不動院前)