改善事例
もう一度、お店で働きたい!
?脳出血からの社会復帰?
●要介護の原因
脳出血による左半身不全マヒ(平成27年12月?平成28年3月入院)
●この改善事例のポイント
- パワーリハビリテーションは、正しいリズムで行うことにより、効果が生まれることを再認識できた。
- ご利用者さまの満足度と運動意欲を維持し、それを向上させるためには、些細な変化にも気づき、きめ細かなサービスを行うことが大切だと分かった。
●リハビリを始めたきっかけ
退院する際に、「歩くのは危険だから」と車イスを勧められましたが、ご本人は杖歩行を強く希望していました。
また、退院後に利用したデイケアのリハビリでは、左上肢の痛みと手掌の腫れ・痛みが治まらなかったため、不満を抱いていました。
以前より露天商を営んでおり、職場復帰を望んでいたことから、リハプライドのパワーリハビリテーションで機能回復を目指すことにしました。
●リハビリを始めてから・・・
利用当初は、左上肢の痛みと手掌に腫れが見られました。また、マシントレーニングではリズムがうまく取れず、 他のご利用者さまとの交流もほとんどありませんでした。
3カ月経った頃、痛みは緩和に向かい、手掌の腫れもなくなって、笑顔も多く見られるようになりました。マシントレーニングもリズムが取れるようになり、車の移乗動作もスムーズになってきました。
6カ月経つと、左上肢に関する訴えはなくなりました。また、玄関の段差に対してステップ台を使用していたのですが、使用せずに上がれるようになりました。
平成28年9月8日 | 平成28年12月15日 | 平成29年3月7日 | |
Timed UP & GO | 4点杖使用 1分52秒 | 1点杖使用 1分9秒 | 1点杖使用 56.91秒 |
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開眼片足立ち | 2.87秒 | 7.90秒 | 8.48秒 |
握力 | 右:19.6? 左:0? | 右:25.5? 左:5.9? | 右:25.5? 左:7.6? |
ファンクショナルリーチ | 17? | 19.5? | 29.0? |
長座位体前屈 | 35.5? | 26.5? | 29.0? |
30秒間足踏み | 19×4=76回 | 17×4=68回 | 26×4=104回 |
水分摂取量の変化 | 450mL | 450mL | 450mL |
主訴の変化 | 左上肢の痛みと手掌に腫れが見られました。 マシントレーニングではリズムがうまく取れません。 |
痛みは緩和傾向にあり、手掌の腫れはなくなりました。 マシントレーニングでは、リズムが取れるようになってきました。 |
左上肢に関しての訴えはなくなりました。 |
生活状況等の変化 | 他の方との交流はほぼありません。 スタッフに対して、高圧的な態度を取ることが多くありました。 |
車の移乗動作がスムーズになりました。 笑顔が多く見られるようになりました。 |
玄関の段差に対してステップ台を使用していたのですが、 使用しなくても上がれるようになりました。 |
●考察
初回は4点杖でTUG測定を行っていましたが、2回目以降は1点杖使用で測定することができました。測定時間も約半年で、1分52秒から、56.91秒と大幅に短縮しました。
左の握力について、初回は痛みやしびれ・腫れがあり、測定できませんでしたが、2回目は5.9?、3回目は7.6?と向上しました。
マシントレーニングについて、利用当初はリズムをなかなか取ることができず、スタッフに対してイライラすることもありました。そこで、カウント表を指差して意識させることにより、しっかりと正しいリズムが取れるようになりました。
この頃(3カ月経った頃)から、笑顔も見られるようになり、他のご利用者さまとの交流も良好となってきました。
この事例を通して、パワーリハビリテーションは正しいリズムで行うことにより、効果が生まれるということを再認識できました。
また、デイケアとは違うアプローチでリハビリを行うことができたため、ご利用者さまの退院後のリハビリに対する不満を解消することができ、それが大きな改善につながって、社会復帰への一歩を踏み出せたと考えています。
ご利用者さまの満足度と運動意欲を維持し、それを向上させるためには、些細な変化にも気づき、きめ細かなサービスを行うことが大切だと改めて分かりました。
(リハプライド 栃木平柳)