改善事例
短期間でTUGや体力が向上した一例
●要介護の原因
慢性腎不全、脳梗塞(2回)、心筋梗塞(心臓カテーテル手術)、糖尿病、圧迫骨折、敗血症
●この改善事例のポイント
- ご利用者さま本人のリハビリに対する熱意は高くなくても、継続性を持って正しい指導をすることで、リハビリ成果に結びつくことが分かりました。
- 各マシントレーニングの効果・効能を、ご利用者さまに理解してもらいながら実施することにより、相乗効果が出ることを認識できました。
- 苦手意識の強いマシンや体操(太極拳)も、できる限りやってもらうことで、リハビリ成果につながることが分かりました。
- 負荷については、初期設定のまま変更しておりませんが、正しいリズム・フォームをしっかりと指導することで、十分に効果の出ることが再認識できました。
●リハビリを始めたきっかけ
週3回の人工透析を継続中です。他にも脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病の既往症を持っており、体力や下肢筋力が大きく低下した状態だったため、奥さまの介護負担が非常に重くなっていました。
過去デイケアにも通いましたが、1日型が長くて嫌になり、長続きしませんでした。
また、2~3年間、週2回、訪問リハビリを受けていますが、マッサージが中心であり、機能回復までには至っていません。
どちらかというと、リハビリには受身の姿勢でしたが、奥さまの希望もあり、半日型の当事業所へ通所することになりました。
●リハビリを始めてから・・・
元々無口で、あまり会話をしない方でしたが、3カ月を過ぎた頃より、送迎の車の中で、ご自身からおしゃべりをするようになりました。新規のご利用者さまなどに対しては「このマシントレーニングをすると、歩くのが楽になるよ」といった前向きな話をするようになり、「家での転倒が少なくなった」「歩くのが楽になった」「ここに来ていなかったら、今頃、寝たきりだったかもしれない」というような、リハビリトレーニングを肯定するコメントも増えてきました。
平成28年4月13日 | 平成28年7月13日 | |
Timed UP & GO | 25秒16(杖あり) | 15秒53 |
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開眼片足立ち | 17秒(杖あり) | 5秒 |
握力 | 右:20.6? 左:14.6? | 右:21.5? 左:13.2? |
ファンクショナルリーチ | 41? | 32.5? |
長座位体前屈 | 23.5? | 34? |
30秒間足踏み | 15回(手すりあり) | 20回(手すりあり) |
水分撰取量の変化 | 130ml(摂取制限あり) | 130ml(摂取制限あり) |
主訴の変化 | 起床時、自宅でふらつき、転倒することがある。 | 通所時も、ふらつきが多く、立ち上がりに時間がかかる。 |
ローイング | 2.5? 1セット ⇒ 3セット |
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レッグプレス | 12.5? 1セット ⇒ 3セット |
チェストプレス | 2.5? 2セット ⇒ 3セット |
ヒップアブダクション | 2.5? 1セット ⇒ 3セット |
トーソフレクション | 2.5? 2セット ⇒ 3セット |
レッグエクステンション | 2.5? 2セット ⇒ 3セット |
●考察
本人のリハビリに対する熱意は高くなくても、継続性を持って正しい指導をすることで、リハビリ成果に結びつくことが分かりました。
マシントレーニングにおいては、各マシンの効果・効能を理解してもらいながら実施することにより、相乗効果が出ることも認識できました。また、苦手意識の強いマシンや体操(太極拳)をできる限りやってもらうことも、リハビリ成果につながることが理解できました。
負荷については、初期設定のまま変更しておりませんが、正しいリズム・フォームをしっかりと指導することで、効果が十分に出ることを再認識できました。
当事例については、本年12月末までに、自宅での転倒を無くすことと、週3回の人工透析に、奥さまとバスで行けるようになることを目標として、今後もサポートしていきます。
このように、リハビリにあまり積極的ではないご利用者さまに対しても、マシントレーニングの効果・効能を理解していただき、"なりたい自分"をイメージして、それに向けて正しくパワーリハビリを行うことで、リハビリ成果に結びつくことが改めて分かりました。
今後、同じようなタイプのご利用者さまに対しても、同様のアプローチをしていこうと思います。
(リハプライド 広島不動院前)