改善事例

85歳/女性・要支援2 重度の関節疾患・骨折

自立での入浴を目指して

●要介護の原因
両大腿骨頚部骨折(人工骨頭置換術後)、変形性膝関節症、腰椎圧迫骨折、糖尿病、高血圧、心不全


●この改善事例のポイント

  • 入浴は、高齢者に限らず多くの人にとって楽しみでもあり、生活をしていくために大切なことです。ただし、身体的負担が大きいことや、身体機能の低下に伴い、転倒のリスクも高くなることにより、自立した入浴ができなくなることが多々あります。
  • 今回、入浴のために他の1日型デイサービスを利用していたご利用者さまが、自立して入浴したいという目標を達成するために、その1日型デイサービスを辞め、当事業所のみに通所し、目標である自立入浴を達成することができました。

●リハビリを始めたきっかけ
自立での入浴が困難な為、1日型のデイサービスを利用していましたが、自宅で自立した入浴ができるようになりたいと考えました。
また、両膝の痛みが強くて、一歩目がなかなか踏み出せず、立ち上がり時は特に膝が痛むので、トイレに行く回数を減らすため、水分摂取も控えていました。
これらの理由に加え、最終目標は、自宅から片道250メートルの掛かりつけ医まで、往復を徒歩で通えるようになりたいと思い、リハビリを開始しました。

●リハビリを始めてから・・・
左手ヘルペス後、神経痛のため力が入りにくい状態でしたが、力が入れられるようになり、握力の測定が可能となりました。当初は「できない」などマイナス発言も多かったのですが、今はそれもなく、トレーニングに前向きです。


平成27年8月6日 平成27年11月2日
Timed UP & GO 57秒 24秒
開眼片足立ち 19秒 1分以上
握力 右:8.5 kg 左:0 kg 右:9. 8 kg 左 :5. 4 kg
ファンクショナルリーチ 9cm 17cm
長座位体前屈 測定不可 測定不可
30秒間足踏み 15回 16回
水分摂取量の変化 150ml 500ml
主訴の変化 立ち上がりや歩行時に両膝の痛みが強 く、一歩がなかなか出せない。 両膝の痛みは軽減。動作時にも「痛 いJ と言われる回数が少なくなった。

短期間で両膝の痛みが大幅に軽減し、ご自宅での入浴が可能となったことでご本人の自信につながりました。またそのことにより意欲が向上し、今までは自宅内が中心だった生活が、外に出てみようと思えるようになり、外出の頻度も多くなりました。
軽い負荷で「楽である」レベルのパワーリハビリテーションを行うことにより、身体機能の改善だけでなく、自分らしい生活が送れるようになるということを 改めて感じることができました。
セット数や負荷のアップで、身体機能が改善すると思いがちなご利用者さまも多いのですが、今回の事例を通して、改めて「楽である」負荷で、繰り返し同じ動作を行うことが 大切であることを実感しました。
身体機能の低下が水分摂取量を減少させてしまっているケースも多いのですが、機能回復のリハビリには、逆に水分摂取量の増加が効果的であるということも分かりました。
また、負荷設定については、個々のご利用者さまに応じながら、今後も慎重に対応し、いつまでも継続できるリハビリを行うことにより、ご利用者さま自身が、夢を諦めずに持ち続けることができるような事業所を目指していきたいと考えます。

(リハプライド 彦根)