改善事例

66歳/女性・要支援2 うつ症

水分摂取量増加により、浮腫の改善・QOL向上が見られた一例

●要介護の原因
著しい変形を伴う両側変形性膝関節症、腰椎圧迫骨折・骨粗しょう症、高血圧症・うつ病、悪性腫瘍(経鼻的腫瘍摘出術)


●この改善事例のポイント

  • 適切に水分を摂取することは、認知症の予防・改善につながると竹内先生は著書で述べています。
  • 今回、認知症状はないものの、適切に水分を摂取し、パワーリハビリテーションを提供することにより、浮腫および浮腫からの痛みが軽減され、QOLが大きく向上し、行動変容も見られました。

●リハビリを始めたきっかけ
リハビリを始める以前は、下腿に浮腫と痛みがあり、歩行が不安定で、体を左右に揺らしながら伝い歩きをしていました。立ち上がりにも時間を要し、いろいろなことにやる気が起きませんでした。

●リハビリを始めてから・・・
事業所内での水分量増加に伴い、浮腫の程度および痛みの軽減が見られました。
毎日の痛みから解放され、発言内容も変化し、活動的になりました。


平成27年1月7日 平成27年4月1日
Timed UP & GO 29秒10 杖なし 11秒22 杖なし
開眼片足立ち 19秒杖なし 15秒杖なし
握力 右:33.8 kg 左:33.7 kg 右:34.6 kg 左:34.6 kg
ファンクショナルリーチ 20.0cm 立位 19.0cm 立位
長座位体前屈 23.0cm 29.5cm
30秒間足踏み 33回 杖なし 33回 杖なし
水分撰取量の変化 300ml 600ml
主訴の変化 来所当初浮腫があり、痛みの訴えあり。 右足首周囲28.3cm 左足首周囲28cm右ふくらはぎ47.8cm 左ふくらはぎ44.5cm 浮腫軽減、痛みの訴えなし。右足首周囲26cm 左足首周囲27.2cm右ふくらはぎ47cm 左ふくらはぎ44.1cm
生活状況等の変化 精子からの立ち上がりに時間を要し、何もやる気が起きない状況。消極的な発言 が多く聞かれた。 立ち上がりがスムーズに成、自宅の掃除・庭に花を植える等もできるようになっ た。発言が前向きになった。


この事例は、水分摂取量低下からバランスが崩れたことに起因する浮腫であったと思われます。
通所ごとに水分摂取を推奨し、意識づけができるようになったため、水分摂取量が向上しました。
それにより適切な水分バランスへと改善し、浮腫の程度や痛みの軽減があったのではないかと考えます。
以前は、浮腫からの痛みが強かったこともあって、引きこもりがちになり、意欲の低下につながっていたのですが、浮腫の改善や痛みからの解放に加え、パワーリハビリテーションとの相乗効果により、行動変容が起こって、生活の質が変化していきました。
水分摂取量を適切にすることで、認知症の予防・改善につながるだけでなく、浮腫や痛みの軽減にもつながることが分かりました。
同様の悩みを抱えているご利用者さまがおられたら、本事例を紹介し、今後も水分摂取の励行を続けていきたいと考えます。
これからもご利用者さまの生活状況等を把握し、ニーズのヒアリングをしっかり行い、個々のご利用者さまに応じた課題解決に向けて、サポートを行っていきたいと思います。

(リハプライド 香取)