リハプライド・コラム
NHKスペシャル『認知症革命』はご覧になりましたか?
先日放映されたNHKスペシャル『シリーズ認知症革命』はご覧になりましたか?
番組では、"MCI"(軽度認知障害)と呼ばれる認知症の一歩手前の段階で発見して対策すれば、
認知症への進行を食い止め、予防できる可能性が明らかになってきている実情が大々的に放送されていました。
その人がこの"MCI"(軽度認知障害)になっているかどうかを見極めるポイントは、ズバリ「歩行」。
近年の研究で、"MCI"(軽度認知障害)では、歩く速さが遅くなることが分かってきています。
例えば皆さんは、高齢の方が「青信号のうちに横断歩道を渡れなくなった」というような話をなさっているのを聞いたことがあるかと思いますが、このような状態は、すでに軽度認知障害が生じている可能性があります。
そして、そのような状態になっても、しっかりと運動を行うことで、その状態を改善していけることが明らかになってきていることが番組では取り上げていました。これはまさに、私たちがずっと訴え続けてきたことと同じですが、このようなTV番組で、運動(リハビリ)の大切さが一般世帯にも周知されつつあるということを嬉しく思いました。
また、シリーズの第2回では、 「認知症になっても、その人らしく穏やかな人生を生きていく」と題し、認知症の人の心に目を向け"本人重視"の接し方を取り入れていくと、家族や介護者の頭を悩ませる妄想や暴言・暴力などが、大きく改善できるという研究報告を紹介していました。
これはイギリスのトム・キットウッド博士が提唱した"パーソン・センタード・ケア"に連なるものですが、これまで私たちリハプライドの顧問でもあり、国際医療福祉大学大学院教授の竹内先生が何度もおっしゃってきた「認知症は治る(妄想や暴言、暴力、徘徊、異食、子供帰り等の認知症の症状はなくすことができる)」という主張をなぞるものです。
リハプライド代表の山下の著書『介護で会社を辞める前に読む本』が書店で好調な売れ行きを続けていることもそうですが、社会にリハビリの大切さや、認知症に対する正しい知識が浸透し始めているのを実感します。
自立支援のための基本ケア
リハプライドは全国約145店舗のリハビリ型デイサービスチェーンとして、日本自立支援介護学会の会員でもありますが、この学会で長く叫ばれている自立支援のための基本ケアは、『「適切な水分摂取、適切な運動、適切な栄養摂取、適切なお通じ」の4原則をしっかりと測定し、その数値に基づいてケアプランを実行していくこと』となっています。
そのことで多くの方が認知症の症状を大きく改善し、要介護度の改善も実現しています。
もちろん、リハプライドでは自立支援に対して最もエビデンスのあるリハビリ運動を提供し、水分の提供にも力を入れるほか、様々な情報提供も行っていきたいと考えています。
※トップ画像はhttp://www.nhk.or.jp/special/ninchi/より引用